やあ、みんなこんにちは!タオルパパだよ。
みんなは、会社の名前やスポーツやサークルなどの団体名が入ったタオルを貰ったことはあるかな?
黒や赤などで会社名や団体名がプリントされている、浴用タオルみたいな薄手のタオル・・・と聞いて、「ああ、あのタオル」と思い浮かぶ人も多いんじゃないかな。
これらは「名入れタオル」と言われるもので、大抵どの家庭にも一枚くらいはある、日本ではとてもポピュラーなタオルなんだ。何かのご挨拶のしるしとして貰った時には、簡素な透明な袋の上に熨斗がかけられているものもあるね。
実は、この名入れタオル、調べてみると、その起源は江戸時代まで遡るという驚きのシロモノなんだ。
今日は、そんな名入れタオルの歴史について紹介してみるよ。
■江戸時代の歌舞伎役者の風習を受け継いだ名入れタオル
日本では、昔から商店や企業などが新年の挨拶の時に、お世話になったお客様に「名入れタオル」を配る習慣があるんだ。これは、「お年賀タオル」とも呼ばれていて、上で紹介したように透明の袋入りで、「御年賀」という熨斗が付いたものが一般的だよ。
実はこの習慣、江戸時代の歌舞伎役者がごひいき(歌舞伎の世界ではパトロン、後援者のこと)に配った名入れの手ぬぐいが、そもそもの始まりと言われているんだ。そして、それを江戸の職人や商人が真似して庶民に広がったことで、今の時代にまで残ったそうなんだよ。
確かに、手ぬぐいに名前を入れておけば、使うたびに思い出してくれるかもしれないし、手ぬぐいならそうそう捨てられることもないからね。
今でこそ、名入れタオルは当たり前のように存在しているけれど、当時のオリジナル手ぬぐいは、とても斬新でかこいいアイデアだったと思うぞ!
だから、江戸っ子達は次々と華やかな手ぬぐいを作って、お世話になった人やお客さんに配りつつ、デザインの素晴らしさで「粋」を競ったそうなんだ。
■手ぬぐいからタオルにバトンタッチして定着
現代では、配るものは手ぬぐいからタオルに変わり、デザインもシンプルなものが多くなり、派手さを競うよりもビジネス関係でのご挨拶のしるし、という側面が強くなったものの「名前を入れたオリジナルのものを配る」という、本来のコンセプトは受け継がれているぞ。
この名入れタオルを配る習慣は、元々歌舞伎が盛んな関東だけのものだったから、関西ではあまり見られないものだったんだ。でも最近では、関西でも、ご挨拶のしるしや秋祭りのご祝儀のお返しとして普通に見かけるようになっているぞ。
それにしても、名刺代わりにプロモーション用やノベルティとして手ぬぐいを使っていた歌舞伎役者は、どこか現代のアーティストにも通じるところがあるね・・・!
9月、10月は、日本各地で秋祭りや文化イベントが行われる季節。お礼や粗品で名入れタオルを貰ったら、今日ご紹介した話を思い出してみて欲しいな。